特別な手続きはある?
eBayでは輸出販売だけでなく、市場調査などを請け負うビジネスもあります。
そうして受け取った海外からの報酬には、確定申告が必要です。
もし申告しないでいると、税務調査のリスクが高まり、場合によってはペナルティを徴収されたりする可能性もあるからです。
今回は海外から報酬を受け取った場合に必要な書類や申告のポイントを解説します。
eBayでの海外報酬も確定申告が必要
eBayで受け取った海外からの報酬には、確定申告が必要です。
ここでは、確定申告が必要な理由と申告で使う書類を紹介します。
日本在住者は全世界の所得が申告対象
日本で収入を得れば、所得税がかかります。
所得税法では、日本の居住者は全世界で得たすべての収入に所得税がかかるからです。
日本国内に住所があるか、または現在まで続いて1年以上居所がある方
海外からの報酬で申告に必要な書類
海外からの報酬も日本国内の報酬と同じように、確定申告書を使って申告します。
国内外を区別せずに、すべて同じ申告書に添付して提出しましょう。
海外からの報酬を申告するときに注意したい書類は次の通りです。
- 注文書、発注書など受注したことと受注金額がわかる書類
- 業務委託契約書など相互に契約したことがわかる書類
- 年間取引報告書など受取報酬額の明細がわかるもの
- 預金通帳など報酬の入金がわかるもの
- 外国税額控除に関する明細書
- 外国で所得税額を課されたことを証する書類
- 国外源泉所得の金額の計算に関する明細を記載した書類
なお、ここで紹介した書類は一部で、報酬の内容によっては別の書類が必要になる場合もあります。
先ほど出てきた、耳慣れない外国税額控除は、海外から収入を受け取った際に必ずといっていいほど出てくるワードです。
言葉の意味を申告の手続きと合わせて、次で解説します。
eBayセラーは外国税額控除を使って申告する
eBayで報酬を受け取るにあたり、避けて通れないのが外国税額控除という耳慣れない言葉です。
外国税額控除とは、二重課税を調整する制度。
たとえば、海外から報酬を受け取ると、外国の所得税がひかれている場合があります。そのようなときは外国税額控除を適用すると税金の一部が返ってきます。
ここでは、外国税額控除の内容と外国税額控除を使った申告の手続きを解説します。
海外からの報酬に外国所得税額があれば注意
海外からの報酬について、外国からの所得税があれば注意しなければいけません。
税務署が計算してくれるわけではなく、確定申告する納税者本人が計算する必要があります。
確定申告書では、以下の箇所に記入して申告してください。
≫ 確定申告書Bにおける外国税額控除の記入箇所
≫ 確定申告書Bに添付する外国税額控除に関する明細書(居住者用)
次に、外国税額控除を使った確定申告の手続きを解説します。
税金の二重払いを精算できる
外国税額控除を確定申告で適用すれば、国際的な税金の二重払いを精算できます。
申告には、前述の確定申告書Bや外国税額控除に関する明細書を税務署に提出しなければいけません。
記入するための外国税額控除は、次の2ステップで計算できます。
ステップ①所得税の控除限度額を計算する
まず所得税の控除限度額を次の算式で計算します。
ステップ②外国税額控除を計算する
次に外国税額控除を計算します。
外国所得税がステップ①で計算した所得税の限度額を超えるか超えないかで計算方法が異なります。
外国税額控除の金額は外国所得税の金額です。
外国税額控除額は所得税の控除限度額と、次の1又は2のいずれか少ない方の金額の合計額となります。
- 控除対象外国所得税の額から所得税の控除限度額を差し引いた残額
- 次の算式により計算した復興特別所得税の控除限度額
このように計算した外国税額控除の金額を、所得税から控除して申告します。
経理に詳しくても間違えるほど、複雑な計算です。ここは専門的な知識のある税理士にお任せするのが無難と言えるでしょう!
後ほど、外国税額控除に精通した税理士を探すためのサービスをご紹介します。よろしければ、お問い合わせください。
外国税額控除の対象とならないもの
外国での所得税は外国の法令で所得に課税されるものですが、対象にならないものもあります。その場合、外国税額控除を適用できないので、注意してください。
対象にならないものを、国税庁では、次のように挙げています。
外国税額控除の計算方法
(注4) 外国税額控除の対象となる外国所得税は、外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により個人の所得を課税標準として課税されるもの及びそれらに準ずるものをいいますが、次に掲げるようなものは外国税額控除の対象にはなりません。
- 税を納付する人が、納付後、任意にその税額の還付を請求することができるもの
- 税を納付する人が、納付が猶予される期間を任意に定めることができるもの
- 複数の税率の中から納税者と外国当局等との合意により税率が決定された税(複数の税率のうち最も低い税率を上回る部分に限ります。)
- 加算税や延滞税などの附帯税に相当するもの
- 金融取引における仕組み取引などの通常行われる取引とは認められない不自然な取引に基因して生じた所得に対して課されたもの
- 出資の払戻し等、資本等取引に対して課されるもの
- その年以前の非居住者期間に生じた所得に対するもの
- 租税条約により外国税額控除の適用がないとされたもの
海外からの報酬換算ルールは?為替レートはどれを使う?
海外からの報酬を日本円に換算する際には、外国為替レートを使います。
たとえば、ドルを円に換算するときに、外国為替レートを使用します。
ただ、外国為替レートにはTTM・TTS・TTBの3種類あるため、確定申告に反映させるには適切なものを使わなければなりません。
迷わないよう、パターン別でどれを使うべきか把握しておきましょう。
海外からの報酬換算原則はTTM(仲値)
海外からの報酬を日本円に換算するときは、原則TTM(仲値)を使用します。
特段の理由がないのであれば、TTMで計算すると覚えておきましょう。
レートは水物なので、換算した日にちや外国為替レートを記録に残しておくことをおすすめします。
継続適用の条件でTTS(電信売相場)やTTB(電信買相場)も使える
報酬などの事業所得や雑所得・不動産所得・山林所得については、継続して次の換算ルールを使うことを条件に例外が認められています。
- 収益・資産・・・TTB(電信買相場)
- 費用・負債・・・TTS(電信売相場)
この場合も換算日や外国為替レート、どの外国為替レートを使ったかを記載し、確定申告の根拠として保存しておきましょう。
【eBayでの海外報酬】税務署は把握している!
「海外から受け取る報酬を日本国内の税務署は把握できないだろうから確定申告しなくてもわからないはず」と考えるのは大変危険です!
送金記録により税務署が気づくかもしれませんし、外国と情報のやり取りがないとは断言できません。
海外からの報酬を申告しないことはとてもリスクが大きい行為ですので、eBayなど海外取引がある方は、日本の法律にしたがって確定申告をしましょう。
eBayでの海外報酬も正しく確定申告しよう
eBay関連の海外報酬も確定申告が必要です。
外国所得税が課されている場合は外国税額控除を適用することで、税金の一部が返ってきます。
無申告でいると高額な追徴課税を払う事態になりかねないので、海外からの報酬も正しく申告してください。
ただ、記事の中で説明した外国税額控除は専門的で計算も複雑です。素人が確定申告書の手引書を読み、太刀打ちするのは困難であるといわざるを得ません。
そこで海外報酬の確定申告に悩んだら「タックスボイス」へご相談ください。
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