eBay輸出の関税で受けたクレームはどう対処すればいい?予防法は?
今回はこちらの疑問にお答えします。
eBayのような越境ECサイトを運営していると関税に直面します。
関税が複雑そうで苦手だとお困りのeBayセラーへ、関税は誰が払うのかやクレームの対処法を解説します。
最後にトラブルを予防回避するポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
eBay輸出の関税は払わなくてOK!
結論から言うと、eBayセラーは関税を払う必要はありません。
関税の支払義務者は誤解しやすいのでしっかり理解しましょう。
詳しく解説します。
関税とは?輸出品にはかからない
関税とは輸入品にかかる税金です。
たとえばeBayで日本からアメリカへ商品を送った場合、日本からは輸出品となるため日本のeBayセラーは関税を払いません。
輸入品のみに税金をかけるおもな理由は、国内産業の保護と税収の確保です。
国によって保護したい産業や制限したい輸入品が違うので、それぞれの国で違った品目や税率で関税が課されています。
参考に関税について税関のホームページに次のように説明されています。
関税とは
関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されています。
関税を払うのは商品を買ったバイヤー
関税を払うのは誰でしょうか。
関税は輸入品にかかる税金なので、商品を購入したバイヤーが関税を負担します。
eBayでは、次のように説明しています。
関税とは?
…また、誤解されやすい点として、関税は販売企業(セラー)ではなく「輸入者(バイヤー)」に支払の義務があるということです。一部の例外を除き関税は輸出品ではなく輸入品にかかるものなので、販売企業(セラー)は関税を払う必要がありません。
次に関税についてクレームを受けてしまったときの対処法を解説します。
eBay輸出の関税クレームがあったら?ケース別対処法を解説
eBayで購入すると関税がかかると知らずに、購入金額に税金が追加されて請求されたとクレームを出すバイヤーもいます。
そのようなときにどのように対処すればいいのか、具体的に2つのケースを例に挙げて対処法を紹介します。
関税金額の返金を要求されたケース
関税で支払った金額を、セラーに返金するよう要求するケースがあります。
そのようなときでも関税負担者はバイヤーなので返金する必要はありません。
対処法として次の2つを行いましょう。
関税はバイヤーが支払う義務があることを説明しましょう。
関税負担者がバイヤーであることは、各国の法律で定められておりeBayの規則でも決まっていますので根拠も示しやすいです。
それでも納得してもらえなければ、自国の税関に直接問い合わせて確認することをすすめましょう。
バイヤーとのやりとりでも解決しない場合は、クレームがあったことやこちらの対応をeBayに報告しましょう。
また返金を断ったためにネガティブフィードバックをつけられたとしても、eBayに経緯を説明することでネガティブフィードバックを削除してもらえます。
万が一eBayに報告する事態になってしまっても困らないように、クレーム対応のやりとりは保存しておくことをおすすめします。
eBay輸出商品の受け取りを拒否されたケース
関税を支払いたくないからと商品の受け取りを拒否するバイヤーがいても、基本的にはeBayセラーは関税を支払う必要はありません。
次の3つの対処法を検討しましょう。
関税は輸入者であるバイヤーが負担する必要があることを説明しましょう。各国の法律やeBayの規則を参考に堂々と説明し、必要であれば自国の税関への問い合わせを促します。
受け取りを拒否された商品は強制的に返送されますが、国際宅配便は商品の返送料が高額になることがあります。
返送料は送り主負担となるため、損を少なくするために関税の一部を負担して商品を受け取ってもらうという方法を検討することも必要です。
この対応は義務ではないので、高額な返送料に困ったときのひとつの手段として検討しましょう。
セラーとバイヤー間で問題が解決できないときは現状をeBayに報告しましょう。関税を理由にしたネガティブフィードバックもeBayに相談すれば削除してもらえます。
バイヤーとのやりとりを記録に残してeBayに報告できるよう準備しておくと、必要な場面で慌てることはありません。
eBay輸出の関税トラブルを予防回避する4つのポイント
関税のトラブルを予防し回避するためにできることを4つ紹介します。最後の4つ目は特に重要なので理解しておきましょう。
①eBay商品ページに関税の取り扱いを明記する
商品ページの注意事項に関税の取り扱いを明記しておきましょう。
具体的には
- 関税の支払者はバイヤーであること
- 商品金額に関税は含まれていないこと
などを書いておけば事前に関税についての説明義務を果たした証拠になるので、万が一のクレームにも対応しやすくなります。
②注文確定時と発送前に再度関税について説明する
商品ページをきちんと確認していないバイヤーもいるので、注文確定時と発送前に再度関税について説明をしましょう。
関税については重ねて何度でも説明することで、より効果的に関税クレームを予防できます。
③eBay商品ページによくある質問やQ&Aを設ける
関税の取り扱いについては、多くのバイヤーが疑問を抱えています。
関税の疑問を一括して解決できるようによくある質問やQ&Aとしてまとめておきましょう。
バイヤーに対しても親切ですし、セラー側も問い合わせ対応の手間が省けることもあります。
④【重要】バイヤーが関税回避を提案してきても脱税行為になるため断る
関税の取り扱いを知っているにもかかわらず、回避しようと提案してくるバイヤーが少なからずいます。
これらは脱税行為であり、アンダーバリューに応じたセラーも罰せられる可能性がありますので、関税回避を提案されても断りましょう。
【まとめ】eBay輸出の関税は払う必要がないことを理解してトラブル回避しよう
eBay輸出の関税はバイヤーが負担するので、セラーが払う必要はありません。
万が一関税について良く知らないバイヤーからのクレームがあっても毅然として対応しましょう。
また関税回避は脱税行為となり罰せられる場合があるので、もし関税回避を提案されても絶対に応じてはいけません。
関税のトラブルなくeBay輸出販売をするためには、商品ページなどに関税の取り扱いを明記することが重要です。
しかしeBay輸出を始められた方にとって、関税は複雑で独学では理解しにくいかもしれません。
そのような税金に悩んだときは「タックスボイス」がおすすめです。
「eBayホットライン」はeBayに強い税理士を無料で紹介してくれるサービスです。
eBay特有の専門用語がわかる税理士なので、eBay輸出事業の税務相談や税務調査、コンサルティングはもちろん会計処理を丸投げできたり、要望に合った税理士をマッチングすることができます。
eBay輸出のような特殊な事業には、eBayを熟知した税理士という強い味方が必要です。
ぜひ一度ご相談ください。