eBay輸出を始めるにあたって知っておきたい基礎的な知識が「手数料と利益計算」の部分です。
そこで今回の記事では、
- eBay輸出でかかる手数料の項目
- eBay輸出の純利益計算の方法と例
にフォーカスして解説していこうと思います。
eBayでかかる手数料の項目は?
eBayは日本のネットショッピングとは違い、出品・落札・出金の際などさまざまな場面で手数料が掛かってきます。
全体像としては、以下の5つの項目があります。
- 出品手数料…商品を出品した時
- 広告手数料…Promoted Listingsを利用して広告を出す場合
- 落札手数料…商品が落札された時
- 海外決済手数料…居住国以外の国バイヤーに商品を売った時
- payonner為替手数料…出金時の為替手数料
このうち必須なのは「広告手数料」を除く4つの手数料。
つまり日本に住みながらeBay輸出をするのであれば避けては通れない項目となっています。
以下で詳しく解説していきますので、計算する際の参考にしてみてください。
eBay上での出品・落札・出金における直接的な手数料
まずは上で解説した通り、必須となる4つの手数料の詳細からご紹介していきます。
①出品手数料 (Insertion fee)
出品手数料は、その名の通り「商品を出品したとき」にセラーにかかる手数料です。
と言っても、全ての出品アイテムに手数料がかかる訳ではありません。
なぜかというとeBayは、契約プランによって無料出品枠の数が設定されており、その枠を超過した分のみ出品手数料が発生する仕組みになっているからです。
こちらはeBay Japan公式サイトに掲載されているプラン表です。
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例えば無料プランの場合、無料出品枠は250品となっていますね。この枠内で出品数を抑えることができるのであれば、出品手数料はかかりません。
プランをアップグレードすると月額料金がかかりますが、その分無料出品枠も増えていく仕組みとなっています。
自分の取り扱う商品カテゴリと予想出品数を考え、1番利益を最大化できそうなプランを選択するのがベストだと言えます。
②落札手数料 (Final value fee)
落札手数料は、eBay上に出品した商品がバイヤーに購入される時にかかる費用です。
以前は+で支払い処理手数料というものを外部に支払う必要があったのですが、現在はルールの改正が行われて外部への支払いの必要がなくなり、よりお得に使いやすくなりました。
カテゴリやストアプランによって手数料数値は変動します。
わずかな差ではありますがセラー規模が大きくなって来ると結構大きな金額となりますので、後々プランのアップグレードも視野に入れておくと良いかもしれません。
③海外決済手数料 (International fee)
日本セラーで、eBayグローバルエリアの国・地域の住所を登録している場合には居住国以外への販売時最大1.35%の海外決済手数料がかかります。
売上総額(商品価格・取扱手数料・配送サービス料・消費税(またはその地域で消費税に相当する税)、適用されるその他の税)をもとに算出されることになるので少し割高に感じるかもしれません。
しかしセラーの前々月の売上金額に基づいて以下のような手数料優遇が受けられますので、ぜひこちらを目標にしてみて下さい。
うまくいくと、1/3以下に抑えることが可能です。
総売上額(前々月) | ディスカウント |
---|---|
$3,000 から $9,999.99 | 1.20% |
$10,000 から $49,999.99 | 0.95% |
$50,000 から $99,999.99 | 0.70% |
$100,000 以上 | 0.40% |
④為替手数料
日本在住のセラーが「米ドル以外」の通貨で取引するeBayサイトに出品をすると、各種手数料はその時点での対USD為替レートに換算されます。
このサイトで商品が売れた場合、他国通貨から米ドルに換算される際「基準為替レート」に3.0%の為替手数料が発生します。
例)為替市場のレートが1ユーロ0.9米国ドルの時=0.87米国ドルとして換算
eBay輸出での利益計算のために計上する項目
ここまではeBay輸出において、セラーに絶対かかってくる手数料についてをお伝えしました。
しかしeBay輸出の純利益を計算するには、上記の手数料を売上から引くだけでは求められませんよね。
純利益計算に必要な項目を併せてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
①広告費用
eBayには、セラーであればほぼ全ての方が利用できる「Promoted Listings」という広告システムが存在しています。
もしも販促としてこちらのシステムを利用するのであれば、広告利用にて売れた分のみの広告費を支払う必要があります。
もちろん利用しなければ料金は発生しませんので、安心してください。
②仕入れ価格
純利益の計算には、仕入れ価格の差し引きが重要ですね。eBay輸出において1番大きなコストになってくると思います。
③梱包費用
商品が売れれば売れるほど、梱包費用も高額になっていきますよね。
段ボール、緩衝材、OPP袋、テープなど…
節約したいところではあると思いますが発送中のダメージで返品・返金が増えてしまっては元も子もありませんので、この部分はしっかり配慮しましょう。
ちなみに配送方法でクーリエ(FedExなど)を利用する際は、一部の梱包材の提供を受けることが可能です。
こちらも有効活用していきましょう。
④配送費用
日本国内の配送サービスと違い、eBay輸出は国を跨いで商品を発送することになります。国によってシステムは業者に違いがありますし、料金形態もさまざま。
クーリエまたは日本郵便での発送がポピュラーな方法ですが、万が一配送状況の遅延などがあった際に別のルートで送ることができるよう、複数の配送方法をチェックしておくのがおすすめです。
【例】eBay輸出での最終的利益計算をしてみよう
では最後に、実際にeBay輸出で取り扱う商品の純利益計算をしてみましょう。
≫ ここでは空気清浄機を例に取り上げます。
(※あくまで一例ですので、数値は必ずしもこの通りとは限りません)
- ストアプラン:無料プラン
- 仕入れ価格:4,000円
- 売値:90ドル
- 出品時手数料:0ドル
- 落札時手数料:13%
- 海外決済手数料:1.35%
- 為替手数料:3%
- 送料:2,500円
- 合計手数料:17.35%(18%として計算)
1ドル=130円の場合
- 90ドル × 0.82 × 130円=9,594円 ←これが売上からeBay各手数料を引いた金額
- 9,549円 – 仕入れ 4,000円 – 送料2,500円 = 3,094円 ←これが純利益
eBay輸出では手数料とコストがかかる。しっかり純利益計算しよう
今回解説してきたとおり、eBay輸出では日本のネットショップ販売とは少し違う手数料形態となっているため結構コストが嵩みます。
1個当たりの利益計算をしておかないと、予想外の赤字となってしまう可能性も否定できません…。
1つずつ計算するのは大変な作業かもしれませんが、慣れてしまえば短時間でできると思います。
大切なポイントですので、eBay輸出を始めるのであればすぐにでもこの利益の算出方法を覚えましょう。
そして、有限な時間の中でもう一つ気を配らなければいけないのが「税金」や「経理」。
eBayは海外初のショッピングサイトですが、実は、日本国内にはeBay輸出事業に詳しい税理士さんも多くいらっしゃいます。
- 自分で経理や確定申告をしようとしたら、全く理解できず困っている
- 確定申告のための勉強に時間を取られ、セラーの管理まで十分に行き届かない
これらを防ぐためにも早期に税理士さんに相談をし、自分自身は最大限eBay輸出事業に専念できるという環境を整えるのが良いでしょう。
タックスボイスでは、eBayに強い税理士さんを紹介しています。