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IOSS番号とは?eBayでのEU輸出時のための必読知識!

eBay輸出時に「関税」と呼ばれる税金がかかることはご存知の方も多いですよね。

しかし、eBay輸出業をするにあたってもう一つ知っておきたい「VAT」と呼ばれる税金が存在していることをご存知ですか?

VATの手続きは難しいものではありませんが、これを知らずに輸出手続きを進めてしまうと購入者(バイヤー)側に二重の課税がかかってしまい、荷物到着後のトラブルに発展する可能性があるのです。

 

そこで今回の記事では、eBay輸出業をする上での必須知識「VATとIOSS」について解説していこうと思います。

 

 

eBayでEU圏輸出時に必須な「VAT」を知ろう

冒頭でも少し触れましたが、IOSSについて理解するためにはまず「VAT」を知っておく必要があります。

VAT

VATとは、Value Added Taxの頭文字を取った略語。主にEU加盟国で買い物をすると課せられる税のことで、日本で言うと消費税のこと。

EU加盟国では必ずVATが導入されています。

つまりEU加盟国からeBay上で注文があった場合、バイヤー側は関税とVATの2つの税金を支払う必要があるのです。

eBayのVATの徴収に必要な「IOSS番号」とは?

では、VATは具体的にどのように徴収されているのでしょうか。ここで出てくるのがIOSSです。

IOSS

IOSSとは、Import One Stop Shopの略で、VATの徴収制度のこと。

eBay上では、セラーが商品代金の支払いを受けるときに同時にVATも徴収するという方法のことを指します。

あなたの出品した商品がEU加盟国から購入された場合、セラー側が発送時にIOSSの申告(発送ラベルへの番号記載)を忘れてしまうと…。

バイヤーは「商品購入時」に支払ったVATを、商品受け取り時にもう一度支払わなければいけないという状況になってしまうのです。

一度支払ったはずのVATを、荷物受け取り時にもう一度支払わなければいけない…となると、バイヤー側とのトラブルになったり取引完了まで長い時間がかかってしまう可能性も。

eBay側がこなしてくれるのはあくまでVATの代行徴収&納付のみです。

発送時にはセラー側が責任を持ってIOSS番号の記載・申告をする必要がありますので、必ず覚えておくようにしましょう。

eBayのIOSS番号の適用の条件について

IOSSは、商品の合計購入金額によってeBay上で適応されるか・されないかが決まります。

ボーダーラインとなるのは150ユーロ。

注意
注意
バイヤー側からするとVATの支払いはどんな場合も必須なのですが、150ユーロを超えるか・超えないかでセラー側の発送時の手続きが違ってくるので注意が必要です。

商品合計金額が150ユーロ以上のとき

商品合計金額が150ユーロ「以上」の時、IOSSの適応になりません。

この場合は現地の配送業者が商品の配達時に直接バイヤーからVATを徴収することになっています。

したがって、セラー側で特別な手続きをする必要はありません。

商品合計金額が150ユーロ以下のとき

商品合計金額が150ユーロ「以下」の時、その取引はeBay上でIOSSの対象になります。

バイヤーがeBay購入商品の支払いと同時にVATも支払い、徴収したVATはeBay運営側がEU財務当局に送金するといった流れになっています。

つまりセラー側はVATに直接触れる機会はありません。

しかし「この荷物は購入時にVATが支払われています」と言うことを証明するため、商品に割り当てられたIOSS番号を発送時のラベル等に記載する必要があるのです。

 

eBayのIOSS番号の確認方法

IOSSの適応・非適応やIOSS番号については、eBayのセラーハブ・取引管理画面から確認することができます。

確認方法
  1. セラーハブ上部メニュー「Orders」をクリック
  2. 左側メニュー「Awaiting shipment」をクリック
  3. IOSS番号を確認したい注文の「Order detils」に表示されている番号をクリック
  4. VATが徴収されている場合、「VAT (eBay collected)」の表記と金額が確認可能
  5. 下に進み、「Tax Details」の部分に記載がある「VAT Paid : IOSS-〇〇〇〇?」がその注文のIOSS番号となる
ちなみに、このIOSS番号はどの国のeBayサイト経由で支払われたかによって表示が微妙に違います。
  • イギリスeBayから支払われた場合:〇〇〇〇~〇〇 Code:Paid
  • ヨーロッパeBayから支払われた場合:VAT Paid : IOSS-〇〇〇〇~〇〇

ともに、上の赤字で表している部分の英数字がIOSS番号となります。

IOSS番号を発送時に記載する方法

①フェデックスを利用して発送する場合

eBay輸出の際の発送方法としてFedEX (フェデックス)を利用している方は多いと思います。

この場合は発送ラベル作成時の「納税者番号」>「荷送人の納税者ID番号(任意)」という部分に上で確認したIOSS番号を入力すればOKです。

②DHLを利用して発送する場合

DHLを利用して発送ラベルを作成する場合は、「税関申告」>「輸出乳における税金について」(当該のシップメントTax Idを入力してください)と記載がある部分にIOSS番号を入力します。

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③日本郵便で発送することはできる?

以前は日本郵便からIOSS対応の荷物を発送することができなかったのですが、2023年1月現在で日本郵便はIOSSに対応済みであることが確認できました。

送付の際は日本郵便の「国際郵便マイページサービス」から手続きができ、「税関告知書・インボイス詳細情報」にIOSS番号を記載することが可能となっています。

詳しくは日本郵便ホームページから確認が可能ですので、発送前に手順を一通りチェックしておくことをお勧めします。

日本郵便 – 【事業者さま向け】IOSS制度を利用した国際郵便の発送について

eBayでEU圏へ輸出するなら、VATとIOSSの知識がマスト!

今回は、eBatでEU圏へ輸出をするのであれば必ず押さえておく必要がある知識「VAT」と「IOSS」について解説してきました。

IOSSのミスは特にeBay輸出を独学で始めたばかりのセラーさんに多いものです。

荷物到着後にトラブルに発展するとセラー評価も落ちてしまいますし、ストレスにもなってしまいますよね。

このようなことを防ぐためにも、eBay輸出を始める前には必ずある程度の知識をつけておくべきだと言えます。

また、今後eBayセラーアカウントを運営していくと予想外に売上が伸びることもあるでしょう。

そんな時は独学で無理して経理関係に手をつけるのではなく、最初からeBayに強い税理士さんに相談しましょう!

  • 自分は商品出品・バイヤーとのやりとりに専念
  • 税金関連はプロに任せて安心を買う&費用は経費化

という形で、効率的に事業を進めるのがおすすめです。

 

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